greeting 2024年度
広島魚市場株式会社の
経営方針について
代表取締役社長 佐々木 猛
令和6年1月末の試算表における前年比は、売上高 11,582百万円(前年比 0.4%増)、営業利益97百万円(68.8%増)で推移しております。
今春闘では、大手企業を中心に人材確保を見越した満額回答が続く一方で、その分中小零細企業にとって採用難、人手不足の問題も深刻化しております。これからも18人口が確実に減少して行く中で、環境変化に対応して事業を継続し発展させて行くためには、世間水準以上に賃上げを可能ならしめる経営戦略とその確実な実行、それと並行して新規就労者にとって魅力的な新事業分野の開拓が不可欠であると考えています。
当社におきましては、令和5年度の昇給において、定期昇給とベースアップ合わせて4.2%アップの平均賃上げ(約1万円)を実施し、この6年度においても同程度の賃上げを行います。幸いコロナ明け以降、当地広島においてはG7サミット開催効果もあり海外からの観光客がコロナ前を上回る程増加し、外食やホテル需要の増加という追風となり、賃上げによるコストアップを吸収できそうな状況で推移しています。このことは、そのようなフォローの環境変化と同時に、役職員一丸となった皆さんの頑張りの結果得られた成果であることに異論はないと思っています。
また人手不足・採用難については、最近発表されたリクルートワークス研究所の調査によると、2040年に日本では1,100万人の働き手が不足するという予測があります。不足率20%を超える都道府県が18ある一方で、東京だけが供給過多(8.8%余る)という予測です。今後ますます東京・首都圏一極集中が進むという、まさに日本経済にとって「疲弊する地方」と言う問題は国難の様相を呈して来ています。
当社が生業(なりわい)の糧としている水産物は、近年国内より海外マーケットにおいてその需要が高まっております。中でも「少々高くても美味しい魚を食べたい」という需要は、国内より海外で大きな高まりを見せており、日本が培ってきた鮮度の良い高品質な魚を漁獲し流通させるノウハウや卸売市場を含めたインフラは、水産物輸出においても競争力となっています。特に直近の150円を超える円安という状況は、漁獲量の減少という逆風の中にあっても、輸出にとってフォローの風となっております。
令和6年度におきましては、地盤である広島市中央卸売市場の卸として、市場内の仲卸様、買参人様の日々の需要に対応する本来の仕事を基軸としながら、首都圏は言うに及ばず、北は北海道、東北から南は九州、沖縄に至る国内マーケットの新規顧客開拓を深耕させてまいります。加えて台湾、香港、シンガポール、その他成長著しいタイ、ベトナム等の東南アジア圏への輸出も強化いたします。そのためにはオリジナリティーのある商品開発が不可欠であり、冷凍、チルドを問わず、子会社のフレッシュヒロウオ㈱の2工場を含めた自社工場、そして提携先や委託先の工場との協力体制も踏まえ、商品力の強化を進めてまいります。