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             広島市中央卸売市場 中央市場

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〒733-0832 広島市西区草津港1丁目8番1号

コンセプト

社長メッセージ(代表取締役社長 佐々木 猛

店内イメージ   さて昨年一年間を振り返ってみますと、コロナウィルスの世界的な流行が3年目となったものの、新たな変異株により弱毒化を繰り返しながら、いよいよ本年で4年目を迎えることとなりました。その間、パンデミックによるロックダウン等によりグローバルなサプライチェーンが寸断され、供給不足を起因とする世界的なインフレが発生、米国は金融引締め策に転じ、昨年4月から12月までの8か月間に、0.5%から4.5%へ政策金利目標の大幅な引き上げを行ないました。

  また昨年2月のロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、サプライチェーン寸断とエネルギー価格の高騰に拍車をかけ、その影響は、エネルギーや食糧他資源の多くを輸入に頼る日本にとって、急激な物価高という形で国民生活に大きな打撃となっています。この20年余りの間、賃金が上がらず、デフレスパイラルという負の循環に慣れた日本人にとって、インフレの影響について特に欧米との違いが大きな点は、企業物価の上昇にもかかわらず消費者物価への価格転嫁が進まない結果が統計値に表れています。

広島魚市場株式会社について
   当社の主力取扱品である水産物は、その多くがその時々の相場によって価格変動します。前述したような世界的インフレの進行により、水産物の価格も押しなべて上昇し、加えて急激な日米金利差等により円安が進行し、一時的には価格上昇による売上増という恩恵に浴したものの、昨年10〜11月頃から販売環境の急速な悪化に見舞われています。近年の水産物消費は、生活必需品よりも趣向品的な性格を強めており、「高ければ買わない」という消費者の選択的消費行動を実感しております。

   もちろん鶏や豚などの肉類の相場も上昇していますが、元々割高感のある水産物にとっては、今年の販売環境も非常に厳しい状況が続くものと想定されます。一方高くなり過ぎたものは、是正される局面も予想されますが、コロナ前に戻ることはないように思われます。そのような環境下で、先進諸国の中で日本だけが適正な小売価格への転嫁が進まず、結果として賃金の上昇難が続くようであれば、国民生活の窮状がさらに深まるのではと懸念されます。従ってデフレスパイラルからの脱却こそ、国策としても第一優先課題であると思います。

  それでは一企業である当社の対応について、当社はこの10年間、@.加工部門をフレッシュヒロウオ鰍ニして別会社化するとともに、第二加工場の買入と全面リニュアルを施し、同所にてHACCPを導入。併せて本社の事業に直結し補完する本社加工部の設立など、加工部門の強化・拡充を進めて来ました。A.広島県産冷凍牡蠣を中心に輸出事業をスタート。また昨年から事業推進室を立ち上げ、同時に経験者の雇用により国産水産物を原料とした加工冷凍事業を始め、販路についても既存のお客様に加え、海外及び国内展示会に出展し、国内、海外を問わず新規開拓を進めています。B.広島市場が一次水揚港となる前浜の魚を当社にとって最も大切な経営資源と位置付け、6次産業化の視点から、漁業者、生産者との協同化を当社事業の柱の一つに育成したいとの思いから、各種新規事業に着手しています。

   以上申し上げた通り、今年も予想不可能な事態の発生が考えられる中で、時代の半歩先を読みながら前向きに事業に取り組んでまいります。その際我々に課せられた使命は、インフレ、物価高の社会変化に対応し、一企業としてより付加価値の高い、言い換えれば価格交渉力が発揮できる、それによって生活保障としての社員の給与アップに対応できるビジネスモデルの創出であります。卸売市場を取り巻く経営環境は非常に厳しいと理解した上で、されど公的な卸売市場であり、前浜の魚を中心とした強みを最大限発揮することで、地域に根差す水産卸売会社として新たな活路開拓を進めてまいります。

フレッシュヒロウオ株式会社について
 昨年一年間は、コロナ禍、パンデミックを発生源としたインフレの進行、そしてまたロシアのウクライナ侵攻、さらには円安も加わり、非常に多くの変化と苦難を経験させられた年となりました。前期までの2〜3年で収支の大幅な改善による増収増益を達成し、これからという時に主力のサーモン加工や寿司ネタ事業が半減以下となり、期中の試算表ベースで大きなマイナス計上となりました。一方、グローバルサプライチェーンの混乱と円安は、国内加工回帰への呼び水となり、固定費を賄える稼働率回復のため、役職員一丸となって新規受注先の開拓と既存先からの新たな受注獲得に努めました。

 その結果昨年10月頃から収支の改善成果が得られるようになり、今期末において期中に発生した債務を返上できるよう、日々さらなる収支バランスの向上に取り組んでいるところです。ただ、電気代は言うに及ばず、資材費の値上がりも経営を直撃しており、適正な利益確保のための取引先様との交渉、より付加価値の高い加工案件の受注、さらには安定的な稼働率確保のための生産計画の立案と実行が不可欠であると考えています。また本年は本社部門と一体となって、流通加工におけるMEL認証を目指しており、現在マリン・エコラベル・ジャパン協議会から指導を受けながら取り組んでおります。

訪問看護事業 株式会社インフィニ(リライフ井口)について
 訪問看護ステーションとしてスタートし、現在は居宅介護支援事業所及びヘルパーステーションを併営、看護師、各種療法士、ケアマネージャー、ヘルパー、そして事務スタッフも含め総勢35名まで、一事業所として成長してまいりました。地域の医療・介護事業者等の関係者の皆さんから信頼をいただくことで、右肩上がりの推移を続けております。コロナ禍3年目となった昨年も、直行直帰やWEBコミュニケーションを駆使するなど感染対策を継続し、スタッフの弛まぬ努力により、大きなトラブルもなく運営を続けることができました。

   現在、スタッフ数の増加により事務所が手狭となっており、草津3丁目の本社事務所の2階を新たに借り受け、改修工事を行うことで、スタッフの皆さんにとってもより働き心地の良い環境作りを進めてまいります。また訪問エリアは市内西区、佐伯区、中区、安佐南区、廿日市市に及んでおり、スタッフ数の増加と訪問エリアの拡大により、新たな事業展開を考慮すべき段階に至ったと考えています。小さなステーションならではのきめ細かなサービスをモットーに、地域の患者様、利用者様目線を大切にし、これからもなお一層ご本人とそのご家族に、安心してお任せいただける事業所を目指してまいります。

広島市中央卸売市場の建て替えについて
 最後に当市場の建て替えについて、昨年広島銀行様にご紹介いただいた、プロ人材の派遣会社である潟Tーキュレーション様を通じて、物流専門家である川鰭先生との出会いがありました。昨年5月から、広島水産蒲lと当社が共同で川鰭先生にコーディネーターの役をお引き受けいただき、この度の全棟建て替えに合わせ、市場内の余剰地に物流センターを導入する件について協議を重ねてまいりました。その結果、水産部門の冷凍冷蔵庫の建替え用地も含め、新物流センターとして3,000u(1万坪)の建設用地確保について、新中央市場建設検討委員会において、ご承認いただくことができました。

  昨年の11月広島市市議会において、総事業費518億円、設計・建設を担う民間事業者の公募を今年2月に始める、そして観光客を呼び込む「にぎわい施設」を併設し、2030年代初頭の完成を目指すという方針が示されました。まだこれから幾多の変遷は想定されるものの、2019年3月に現在地における全棟建て替えの基本計画がまとめられて以来、やっとレールに乗って前に進み始めたと受け止めています。

  水産物流通も年々多様化が進む中で、近年卸売市場流通は縮小均衡を余儀なくされて来ました。この度の半世紀に一度と思われる建替えを新たなビジネスチャンスととらえ、本来卸売市場が有している優位性、強みを生かし、新しい時代に相応しい市場として生まれ変わり、地域における拠点市場として復権が果たせるよう、広島水産様、仲卸各社様等関係者一同の英知を集め、新市場作りに邁進してまいりたいと考えております。

















                               
スタッフ写真  広島魚市場株式会社
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